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zoom RSS 天国への道「長いです!暇な時に読んでください」

<<   作成日時 : 2010/08/18 00:03   >>

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『天国への道』

(ジャワの民話)


ある畑に年をとった夫婦が住んでいた。夫婦の住んでいる小さな家は、畑のほったて小屋といったほうがいいようなものだった。畑は大きくなかったが、そこからの収穫でつつましく生きていくことはできた。畑は町からはもちろん遠く離れていたし、村からも離れて森の近くにぽつんとあった。年をとってもいたので、静かな生活をしている間に、ふたりの老人の心にある願いが芽ばえた。いつか死ぬときには天国へ行けるように、コーランを学んで、信仰を深めたいと思ったのだ。若いころは生活のためにうんと働かなくてはならなかったから、それまではコーランを学ぶ機会はなかった。死が近づいてきたので、ふたりはあの世のことや、ほかのひとから聞いた地獄の責め苦のことを思うようになった。
台所に座って火にあたっていると、おじいさんはよくおばあさんに低い声で言った「ああ、わしらはいつになったら宗教学校へコーランを学びに行けるだろうね、ばあさん」。そうすると、かまの火を強くするためにまきをたしながら、おばあさんは答えた「ええ、信仰に対して目をつむって生きてきたのはわたしらのきめられた運命だったんだよ。そうするうちにこんなに年をとってしまった。そろそろコーランを学ぶときでしょうねえ」。「わしもそこを考えていたんだがね。わしらはいつになったら、コーランを学びに宗教学校へ行けるだろうね?」  「でもわたしらが宗教学校へ行ってコーランを学ぶとしたら、いったいだれが畑を耕すんです? それにだれも畑を耕さなかったら、どこから食べ物を手に入れればいいんです?」  「それはもっともだ」と夫は答えて考え込んでしまった。コーランを学ぶのは無理かも知れないと思うと、おじいさんは悲しそうな顔をした。
しばらくふたりは黙って、ちろちろ燃える火を見つめていた。火にかけてある湯はわきはじめた。突然おじいさんが頭をあげて、妻の顔を見ながらきいた「わしがひとりで習いに行くとしたらどうだね。おまえはここに残って畑を耕すんだ」。おばあさんは気乗りのしない目をおじいさんに向けると、こう言った「おまえさんは本当にずるいよ。ひとりで天国へ行って、そこで四十人もの若い天女をもらおうと思ってコーランを習うんだね。わたしはここにひとりでとり残されているうちに、きっと地獄のいけにえだ。いやだ、いやだ、わたしはおいてきぼりにはならないよ。いっしょにコーランを習いにいったほうがましだよ」。
おじいさんは考え込んだ。そして、うなだれていた頭をまっすぐにすると、ため息をつきながらこう言った「それはたしかにそうだ。もしふたりで習うとなると、畑は耕せないし、畑を耕すと習えない」。「そのとおりよ。そんなら、いったいどうするのが一番なんでしょうね?」 またしばらく考え込んでからおじいさんが言った「こうすればかんたんだよ。おまえがひとりで習いに行くんだ。すこし勉強したらここへもどってきてわしに教えとくれよ」。「どうしてわたしがひとりで行かなきゃならないんです? わたしを追い出そうっていうんですか?」 泣きそうな声でおばあさんは言った。

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