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zoom RSS 天国への道☆続2

<<   作成日時 : 2010/08/18 00:09   >>

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そのとき、外でだれかの声が聞こえた「ごめんください」。「はい、どうぞ」とおじいさんは答えた。「いったいどなただね? さあお入り」。そう言われると、数人のお客が入ってきた。それはちょうど宗教学校からもどってきた生徒たちだった。あいさつがすむと、お客たちは、ひろげた、すがすがしいむしろに腰をおろすように勧められた。おばあさんはお湯をわかしたり、だんごを作ったりで忙しかった。
その間おじいさんは見知らぬ客と向かいあって、どぎまぎしながら座っていた。今まで家に客が来たことなどなかった。口ごもりながらもすぐにおじいさんはたずねた「いや、いや、あんた方がいらしたんで、わしらは本当に驚きました、だんな方。わしらだけで住んでおりますと、おわかりでしょうが、お客さんなんてめったにないんですよ。この人里離れた、ぶっ倒れそうな小屋にひょっこりいらっしゃるなんて、だんなさん方、どちらからいらしたんで?」
 客のひとりが答えた「わたしたちは、勉強を終えてちょうど学校を卒業してきたところです。家はまだまだ遠いのですが、おべんとうを全部食べてしまいました。すると偶然にこの家から煙があがっているのが見えたのでお寄りしたのです」。家の主人は、お客たちが宗教学校の卒業生だと聞くととても喜んだ。おじいさんは台所で忙しく働いていた妻を呼んだ「ばあさん、だんなさん方は本当に高潔な方たちだよ。急いでお湯と食べ物をこっちへ運びなさい!」
  「ちょっと待ってくださいよ。そんなに急いでどうしたんです。おだんごがまだなんですよ!」  「じゃ、お湯だけでも持ってこいよ、ばあさん」とおじいさんが言った。「これはありがたいことだよ。わしらのお客さん方はみなさん宗教学校の生徒さんだったんだよ。ちょうど勉強を終えていらしたところなんだよ」。「なんだって、みなさん宗教学校の生徒さんかい」と台所からおばあさんが叫んだ。おばあさんの声には大きな喜びがあふれていた。「なんていう幸せ。こんなことってないわ! きっとのどがかわいているだろう、わたしの子どもたちや。しんぼうしておくれ。もうちょっとでお湯の支度ができるからね」。
生徒たちは、このいなかのひとたちの非常な喜びようを見て驚いた。生徒たちは顔を見合わせた。そしてひとりがたずねた「わたしたちがお客になって、どうしてあなたたちはそんなにうれしいんですか。おじいさん、わたしたちはあなた方のおじゃまじゃないのですか?」 おじいさんは笑って「ああ、まったくそんなことはないよ、お若い方がた。お湯はもう火にかけてある。それにだんごはわしらが植えた麦のものだよ。あんた方のようなお客さんが来てくれて、わしらは本当にうれしいんだよ」。「どうしてですか?」  「それはな、お若い方がた、あんた方がたった今コーランの勉強を終えて帰ってきた生徒さんだからだよ」。
お客はまだ分からなかった。家の主人に重ねてたずね、説明してくれるように言った。笑いながらおじいさんは答えた「わしらはもう年だが、信仰のことについてはよく知らんのじゃ。わしらはコーランの勉強をしようと思ってる。しかし畑を耕さなくてはならんもんで、それができんのだ」。そうするうちにお湯がわいた。そしてコーヒーとできあがっただんごをそこにおいて、「どうぞ、まずはお飲み、子どもたちや」とおばあさんは、うれしそうな声で言った。
お客たちは本当におなかがすいて、のどがかわいていたので、まだ湯気のたっているご馳走を待ちかねたようにふーふー吹いた。食べ物が冷えるのを待っている間に、またひとりのお客がたずねた「おじいさんとおばあさん、なんのためにあなた方は今になってコーランを学びたいんですか。もう遅すぎやしませんか?」
 おじいさんは答えた「それはこういうわけなんだ。わしらはもう年だ。小さい時分から、わしらには学校でコーランを学ぶ機会がなかった。今ではもう年だし、もうすぐお墓へ行くことになる」。「はあ、でもどうしてコーランが学びたいんですか」。「わしらは地獄へ行くのがこわいんだ。天国へ行きたいんだよ」。この説明を聞くとお客たちは声をたてて笑った。口の中のだんごやコーヒーをぷっと吹き出してしまった。
いくらかおさまったとき、仲間うちでいちばん軽はずみだとされているひとりの生徒が笑いながら言った「ただ天国へ行きたいだけなら、いったいなんのためにコーランの勉強をするんだい、じいさん」。「そうしなければどうしてわしらが天国へ行けるかね、お若い方」。何かおかしなことでもあったようにお客たちが笑うのを見ておじいさんは驚いて言った。
軽はずみな生徒はさらにこう言った「この畑のまわりには空までとどく竹やぶがありはしませんか?」 おじいさんとおばあさんは同時に答えた「ありますよ、その通りだ」。「それが天国への道なんだよ。あんた方が天国へ行きたいんなら、竹のてっぺんまで登らなくちゃならない。その竹のてっぺんがまっすぐ天国の入口の階段につながっているんだから」。

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